09.08.04

喜八の出来事 6

お久しぶりです。今日は喜八を離れて所長のふるさと・白老から。

白老の中心街から山側に約10㎞入ったところに「仙人の森」はあります。
木漏れ日を心地良く感じながら、蛇行した道を更に山に入って行くと、道の左右に手入れがゆきとどいた芝生の空間があり、ぱっと開けた場所に突如コンテナハウスが姿をあらわし、私たちを迎えてくれました。
聞けば15年も前からコツコツと造り続けた「場」なのだと言います。私たちが見わたせる3000坪ほどの範囲には、コンテナハウスの他にも、大小さまざまの建物が点在し、物置、トイレ、五右衛門風呂、外部キッチンなどがそれぞれ絶妙な距離を保ちつつ、そこに「ある」のです。
奥には野菜などを作っている畑やハーブ畑、温室もあります。繁った木々のあいだには椎茸を栽培している場所まで。
ここには確かに豊かな自然がありますが、それはまったくの手つかず…ということではなく、適度に木々を間引いたりしながら程良く手を加えた、心地良い自然が広がっているのです。
目の前に広がるそれは、見たこともないような特別な風景とか銘木があるとかそういうことではなく、一見どこにでもある、自分がかつてどこかで触れたことがあるような、ある懐かしさを持った自然なのです。



驚くべき事は、この手入れがゆきとどいた場を、70歳にもなろうかというご夫婦2人で管理しているということ。にこやかに、この場所での出来事を話してくださいます。
作業の合間に、すぐそばに鳥のさえずりを聞き、緑を眺めながら飲むお茶が何よりも美味しい、と。
この2人は、堀尾所長のご両親であり、時には作業を手伝いながらその過程を見つめてきた所長にとってここは、「自然とつながる自分」を意識する原点ともいうべき場なのだとか。
故郷に戻り、半屋外の五右衛門風呂につかるたびに、その思いを強くするこの頃なのだそうです。

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