美しく時に厳しい自然を常に近くに感じられる住まいづくりは、北海道に暮らす私たちにとって目指すべき姿のひとつです。
古くから日本で築かれてきた縁側と庭の関係のような、暮らしと自然の豊かな関係を北国でも創っていきたい。夏は自然に開かれ心地よく、冬は暖かく穏やかな光に包まれる。四季の移ろいと常に共にある「自然と暮らす家」。私たちが目指すのは、そんな人と自然の新たな関係を提案する家づくりです。

光と風の住まい

私たちは自然の力を上手に活用することで、 電気などのエネルギーに出来るだけ頼らず、快適に暮らせる家づくりを目指してい ます。たとえばトップライト(天窓)は部屋の中に自然の光を届けるにはとても有効な方法です。

周囲の建物の影響も少なく、方角も選びません。 天窓を開ければ、室内の空気の温度差で生じる上昇気流で自然な風が生まれ新鮮な 空気の流れが感じられる自然換気が可能となります。
窓については明るさと断熱性のバランスを考慮しています。 どれだけ性能の良い窓ガラスでも面積が大きければ室内の熱は奪われます。 また、直射光が入り明るすぎる空間は目を疲れさせます。 必要十分な明るさのなかで落ち着いた時間が過ごせるように、壁や天井面で光を反射させた柔らかな光の空間をつくります。

あたたかな家の工夫

北国の暮らしで欠かせないのが、断熱に代表されるあたたかな家づくりへの工夫です。私たちが手がける住宅では断熱の基本となる壁の柱と柱の間(軸間)にグラスウール製の高性能断熱材を充填します。さらに軸間断熱で熱橋となる柱や梁部分には、断熱材を外張りする付加断熱(ダブル断熱)を施し、熱損失を可能な限り小さくして冬でも快適な住まいを実現します。このダブル断熱により夏場の室温上昇も抑えることができます。

冬の暮らしでは断熱とともに結露への対策を気にされる方も多いと思います。結露対策には住宅の断熱性能を高めることはもちろんですが、上下階をつなぐ吹抜け空間を利用した全体的な換気計画や暮らし方のアドバイスをするなど、結露のない、快適な暮らしのコツもお伝えしています。

自然素材へのこだわり

自然豊かな北海道で家づくりに携わる私たちは、 木や石、土、真鍮や銅板、そして自然草木など、出来るだけ自然に近い状態の素材を家づくりに活かしたいと考えています。自然素材ならではのやわらかな風合いや経年で変化する表情を楽しみお気に入りの服や靴が体に馴染んでいくように月日とともに住む人の暮らしに馴染む家を作りたいと考えています。

室内の壁には珪藻土を仕上げ材としてよく使います。 ビニール製クロスは極力使わず、有害物質を含まない塗料で合板素材に直接塗装し て仕上げる場合もあります。塗装による仕上げは、素朴な雰囲気や光の反射が生み出すやわらかな表情が魅力です。


コストについての考え方

一生で一番大きな買い物と言われる家づくりにはたくさんのお金がかかります。夢のマイホームを実現するために理想を詰め込み過ぎればたちまち予算を上回りかねません。私たちは、クライアントの理想をひとつでも多く実現するため素材の組合せや時には暮らし方の提案をするなど、柔軟な思考と発想でコスト削減を考えていきます。

例えば、床を天然木のフローリングで仕上げたいという理想があれば 一日のうち長い時間を過ごすリビングには肌触りの良い無垢の天然木材を用い、寝室の床は木の風合いは残しつつ合板素材に塗装のみで仕上げてコストを抑えます。 他にも、子ども部屋はベッドスペースと収納の機能に限定し、 学習スペースは家族のパブリックゾーンにつくる事で家全体の面積を抑える(縮小する)など、そのアイデアをクライアントと共に考えるのも私たちの役割です。