16.03.10

喜八の出来事 101

「喜八の出来事」も100回を迎えたと記したのが昨年末のこと。ちょっと油断(?)をしていたらあっという間に時は過ぎ、2016年も3月に突入してしまいました。冬の間は活動を休止している虫たちも動き出すと云われている啓蟄も過ぎ、春の彼岸も間近に迫っているという有り様です。
この時期決まって私たちのもとへ遠方より届く春の便りがあります。ダンボールにははっきりと「こわれもの」と天地を知らせるシールが貼られていて、配達人からこの荷物を受け取った瞬間から「あ、もしかすると…」と期待が膨らみます。指示通り慎重に梱包を解くと桜の枝が無事に北国に届くようにと毎年様々な工夫が施され、パッキンも兼ねた菓子などが絶妙に納められた箱の中から「それ」が姿を現すのです。

まだまだ雪が残る北海道に微かな春の気配を見つけては喜んでいる私たちにとって、桜の花などまだまだ2ヶ月も先のこと。一足…どころかずい分先取りで春が訪ねてくれる嬉しい瞬間です。水に挿しておくと幾日かのうちに蕾がほころび薄桃色の花が一輪、また一輪と咲いてくれます。
穏やかで温かな心持まで届けてくれる春の便り。確かな春の気配です。
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